そのプレゼン、 最後列まで本当に届いていますか?

会議室・教室での「見えない」「読めない」を解決する、伝わるデバイス選びの新常識
「見えにくい」は、伝わらない。
それは、ビジネスや教育における大きな機会損失です。
情熱を込めて作成した資料も、受け手に正しく伝わらなければ意味がありません。
「後方の席で、スクリーンに映る文字が小さくて読めなかった…」
「グラフの色分けが分かりにくく、内容が頭に入ってこなかった…」
こうした「見えにくさ」の問題は、参加者の理解度を下げ、議論の質を低下させ、学習効果を損なう大きな原因となります。
この課題は、個人の視力や慣れの問題ではありません。「設置する場所」と「見る人」との関係性を科学的に分析し、最適な「デバイスサイズ」と「資料のテキスト設定」を導き出すことで解決できます。
オーエスでは、長年培ってきたスクリーン製造のノウハウと知見に基づき、あらゆる空間で情報伝達効果を最大化するソリューションをご提案します。
ここでは資料を投影・表示する端末デバイス(スクリーン・ディスプレイ・LEDビジョン)のことを指します。
【STEP 1】部屋の広さと視聴距離で決まる!最適なデバイスサイズの選び方
参加者全員が見やすい環境を作るには、まず部屋の広さと視聴距離に合ったデバイスサイズを選ぶことが基本です。
お使いの場所はどのタイプ? 用途別推奨デバイスサイズ
| 場所のタイプ | 想定人数 | 最大視聴距離(目安) | 推奨デバイスサイズ |
|---|---|---|---|
| 小会議室 / ミーティングスペース | 〜10名 | 〜5m | 80インチ |
| 中会議室 / 普通教室 | 〜40名 | 〜9m | 100インチ |
| 大会議室 / 講堂 / ホール | 50名〜 | 10m〜 | 120インチ以上 |
なぜこのサイズが推奨されるのか?
一般的な教室や会議室の奥行きは7m〜9m以上になります。このような場所で全員が快適に画面を見るために、「一番後ろの席までの距離 ÷ 4 = 画面の横幅(W)」という簡単な計算式を目安にしています。
その他にも、文字が多い資料か、映像が中心かといった表示内容に合わせてサイズを決める方法も有効です。
これはあくまで簡易的にサイズの目安を導く方法です。必ずしも当てはまるわけではなく、流すコンテンツや部屋の環境によって異なります。目安として参考にして下さい。
【STEP 2】科学的根拠に基づく!最適なフォントサイズの計算方法
デバイスサイズが決まったら、次はプレゼン資料(PowerPointなど)で設定すべきフォントサイズを具体的に見ていきましょう。快適な視認性は、以下の2つの要素から計算で導き出すことができます。
- 一番遠い席から文字が判別できる「最低限の文字の高さ」
- 使用するデバイスサイズと、資料のフォント設定の関係
ここでは、例として「奥行き9mの普通教室」で「100インチスクリーン」を使用するケースで計算してみましょう。
1. 必要な「文字の高さ」を計算する(普通教室の場合)
人がストレスなく文字を認識できるために必要な画面上の文字の高さは、「視聴距離 ÷ 150」という計算式で求められます。
最低限必要な文字高さ=視聴距離÷150
- 視聴距離: 9m (9,000㎜)
- 最低限必要な文字高さ: 9,000㎜ ÷ 150 = 60㎜
つまり、奥行き9mの部屋の最後列からでもハッキリ文字を読めるようにするには、スクリーンに映る文字の実際の高さが最低でも6㎝必要ということになります。

2. 「100インチスクリーン」で「36pt」の文字はどう見えるか?
次に、PowerPointなどで「36pt」に設定した文字が、「100インチスクリーン」に映ったときに、実際に何cmの大きさになるかを考えます。
- 100インチ(16:9)スクリーンの高さ: 約125cm (1,250mm)
スクリーンのサイズはこちら - 一般的なプレゼン資料(16:9)とフォントの関係: プレゼン資料全体の高さはワイド画面(16:9)の場合7.5インチ(約19.05cm)、文字のサイズを表す単位「ポイント(pt)」は、1インチあたり72ポイントと定義されています。この定義に基づいて計算すると、スライドの高さいっぱいに文字を表示する場合のフォントサイズは、
7.5インチ × 72 pt/インチ = 540 pt 必要になります。
- 100インチ(16:9)に投影した場合の文字高さ(実寸):スライド全体(540pt)に対する36ptのフォントが占める割合を計算し、100インチに投影後の文字高さを計算します。
36 pt ÷ 540 pt ≒ 0.067
1,250mm × 0.067 ≒ 83mm
この結果より、100インチスクリーンに投影した36ptの文字は、高さ 約8.3㎝で表示されるということになります。

注意)フォントサイズは、文字そのものの高さではなく、余白を含んだデザイン領域の高さを指します。そのため、PowerPointで540ptに設定しても、必ずしも文字がスライドいっぱいに表示されるわけではありません。ここで示した計算は、あくまで理論上の目安としてご活用ください。
【参考】以下でご紹介しているBIZ UDPゴシックを使用した場合は、”|”の文字が余白なく540ptでスライドの上下いっぱいに表示されます。
3. 【結論】「100インチスクリーン」と「36pt」の組み合わせは非常に見やすい!
計算結果を比較してみましょう。
- 読めるために最低限必要な文字の高さ:6cm
- 実際の表示サイズ(100インチ/36pt):8.3cm
最低限必要な文字高さ6㎝<実際の表示サイズ8.3㎝
実際の表示サイズが必要な高さを十分に上回っているため、この組み合わせは、最後列の席にいる人にとっても見やすく、判読しやすい文字サイズであると結論付けられます。

あなたの環境に合わせた推奨フォントサイズを簡単計算!
最低でも必要なフォントサイズ (目安)
—pt 以上
※より視認性を高めるための追加ポイント
- 対象者: 低学年の児童や高齢者、視覚に配慮が必要な方がいる場合は、さらに大きな文字にするのが望ましいです。
- コントラスト: 背景と文字の色には十分なコントラスト(明度差)をつけ、はっきりと見えるようにしましょう。(例:白地に黒文字、濃い青地に白文字など)
【STEP 3】視認性が劇的に変わる!プレゼンに最適なフォントの選び方
フォントサイズだけでなく、「どのフォントを選ぶか」もプレゼンの見やすさを左右する重要な要素です。様々なフォントの中から、プレゼンテーションに適したフォントについて確認してみましょう。
フォントの種類:文字の装飾が無い「サンセリフ体」が最適
プロジェクタ―やディスプレイに映す場合、線の太さが均一で装飾のない「サンセリフ体」(日本語ではゴシック体など)が最も視認性に優れています。また、プレゼンでは重要な部分を太字で強調しますが、フォントによっては太字にしても変化が分かりにくいものがあるため、注意が必要です。
プレゼンテーションにおすすめの代表的なフォント
- BIZ UDPゴシック: 誰にでも読みやすいように科学的に設計されたUD(ユニバーサルデザイン)フォント。誤読が少なく、信頼性が求められるビジネスシーンに最適です。画数の多い漢字でも潰れにくく、プロフェッショナルな印象を与えます。MacOSにはインストールが必要です。
- Meiryo UI/メイリオ:モダンでインパクトがあり、強調部分を強く印象付けたい場合に有効です。Meiryo UIはメイリオに比べて文字間が狭いため、スライド1枚に多くの情報を盛り込めます。
- ヒラギノ角ゴシック: MacOSの標準フォント。Macの美しい描画(レンダリング)に最適化されており、クリアで洗練された印象を与えます
【詳細比較】代表的なフォントの評価チャート
プレゼンテーションでよく使われるフォントについて、PC画面とプロジェクター投影時の見やすさ、与える印象などを比較しました。フォント選びに迷ったら、まずはこちらの表をご確認ください。
| 比較項目 | BIZ UDPゴシック | Meiryo UI | メイリオ | 游ゴシック Medium | MS Pゴシック | MS P明朝 | ヒラギノ角ゴシック |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| PC画面での見やすさ | ◎ (非常に快適) | ◎ (非常に快適) | ◎ (非常に快適) | ◎ (非常に快適) | △ (目が疲れる) | △ (線がかすれやすい) | ◎ (非常に快適) |
| プロジェクターでの視認性 | ◎ (太さ・形が明確) | ○ (読みやすいがやや詰まる) | ○ (読み易いが細い) | ◎ (非常にクリア) | △ (やや詰まり読みにくい) | × (横線が消えやすい) | ◎ (非常にクリア) |
| アルファベットの読みやすさ(I/l) | ◎ (UD設計で識別しやすい) | ◎ (非常にクリア) | ◎ (非常にクリア) | △ (判別が難しい場合あり) | △ (少し読みにくい) | △ (装飾が多く読みにくい) | △ (判別困難) |
| 太文字の見やすさ | ○ (良好) | ◎ (非常に明確) | ◎ (非常に明確) | △ (差が小さい) | × (文字が潰れる) | × (文字が潰れる) | ◎ (明確) |
| スライド1枚あたりの情報量 | 〇(標準的) | ◎ (多い/省スペース) | △ (少ない) | ◎ (やや細身で多い) | ◎ (多い) | ◎ (多い) | ○ (標準的) |
| 信頼性・印象 | ◎ (誠実・正確) | ○ (モダンで一般的) | ○ (モダンで一般的) | ◎ (洗練されている) | △ (時代遅れ) | △ (場面を選ぶ) | ◎ (標準) |
| クロスプラットフォーム適性 | ◎ (mac要インストール) | × (Win限定) | × (Win限定) | △ (要注意) | × (Win限定) | × (Win限定) | × (Mac限定) |
| プロジェクターでの総合評価 | SS (最善の選択肢の1つ) | S (Win環境で推奨) | A (安定した選択肢) | A (注意必要) | F (非推奨) | F (非推奨) | S (Mac環境では最適) |

【STEP 4】一目でわかる!デバイスサイズ別・推奨フォントサイズ早見表
ご自身の環境に合わせてすぐにチェックできるよう、各デバイスの代表的なサイズと、推奨されるフォントサイズの目安を一覧にしました。

スクリーンの場合
| サイズ | 主な用途 / 想定される最大視聴距離 | 推奨フォントサイズ (最低 / 推奨) |
|---|---|---|
| 80インチ | 小〜中会議室 (〜5.0m) | 20pt / 28pt以上 |
| 100インチ | 普通教室・中会議室 (〜9.0m) | 28pt / 36pt以上 |
| 120インチ | 大会議室・ホール (〜11.0m) | 28pt / 36pt以上 |
| 150インチ | 講堂・ホール (〜13.0m) | 28pt / 36pt以上 |
| 200インチ | 大講堂・ホール (〜20.0m) | 32pt / 44pt以上 |
| 250インチ | 大講堂・イベントホール (〜25.0m) | 32pt / 44pt以上 |
| 300インチ | 体育館・イベントホール (〜30.0m) | 32pt / 44pt以上 |
| 350インチ | 大規模ホール (〜35.0m) | 32pt / 44pt以上 |
ディスプレイの場合
| サイズ | 主な用途 / 想定される最大視聴距離 | 推奨フォントサイズ (最低 / 推奨) |
|---|---|---|
| 55インチ | 小会議室 (〜3.0m) | 16pt / 28pt以上 |
| 65インチ | 小会議室 (〜4.0m) | 18pt / 32pt以上 |
| 75インチ | 中会議室 (〜5.0m) | 20pt / 32pt以上 |
| 86インチ | 中会議室 (〜6.0m) | 24pt / 36pt以上 |
| 98インチ | 教室・中会議室 (〜7.0m) | 24pt / 36pt以上 |
LEDビジョンの場合
| サイズ | 主な用途 / 想定される最大視聴距離 | 推奨フォントサイズ (最低 / 推奨) |
|---|---|---|
| 108インチ | 大会議室 (〜10.0m) | 28pt / 36pt以上 |
| 135インチ | 大会議室・ホール (〜12.0m) | 28pt / 36pt以上 |
| 162インチ | 講堂・ホール (〜14.0m) | 28pt / 36pt以上 |
「伝える」ための環境づくりは、オーエスにお任せください
当社では、スクリーンだけでなく、ディスプレイやLEDビジョンといった各種デバイスを幅広く取り扱っております。
お客様一人ひとりの「伝えたい」という想いを大切にし、それが聴衆にストレスなく、かつ効果的に届く空間づくりをご提案します。ご利用シーンやご要望に応じて最適な機材を選び出し、専門的な視点から導入をサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
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