学内あらゆる場所からあらゆる場所に配信できる環境を構築
2024年度より普通科専一に変わり明治40年創立以来の大改革を成す日本工業大学駒場中学・高等学校(以下、日駒)様。ICT整備も先進的に取り組まれ、2023年現在、学内に導入されているシステムは校内映像配信システム、エントランス・校門デジタルサイネージ、地下トレーニングスタジオの映像音響システムがあります。
2017年よりオーエスは校内全域におけるICT導入をサポートしております。本事例では2017年から現在までの日駒様の取り組みを全5回に分けてご紹介します。第1回はICT整備を牽引された日本工業大学駒場中学・高等学校 事務長 渡辺様へのインタビューです。日駒様がどのように映像音響システムを活用されているか、なぜこのような設備を導入するに至ったかを渡辺事務長に伺いました。
キモチをカタチに
キモチ|お客様のご要望
- 生徒数が多く全校集会で体育館に入りきらないため、設備更新で使い勝手を良くしたい。
- 学内全体のネットワーク設備を強化、活用して情報や知識の共有化を図りたい。
カタチ|オーエスのお手伝い
- 体育館、教室、校門、廊下など学内全域へのICT機器の導入、活用サポート。
- 校内映配信システムの導入(映像音響設備選定~設置、ネットワーク構築)。
- エントランス、校門へのデジタルサイネージ導入。
- ダンス授業に利用できる映像音響システムの導入。
導入設備
設備更新(映像音響)/ネットワーク設備
学校デジタルサイネージ
地下トレーニングスタジオの映像音響システム
フォトギャラリー(卒業式の模様)
ギャラリー(写真拡大できます)
渡辺事務長インタビュー
温もりのある学校づくりに繋がったICT整備
~ 一連の導入内容のなかでも、メインは校内映像配信システムかと思います。はじめに校内映像配信システム導入の目的を教えてください。
日本工業大学 駒場中学校・駒場高等学校
事務長 渡辺様
日本工業大学 駒場中学校・駒場高等学校
事務長 渡辺様
新校舎建設時に敷地の大きさから全員を一同に集める集会や朝礼はもうできないことを覚悟しました。集会はアリーナ(体育館)に集まる学年と、教室で放送を聞く学年に分けて実施していました。ただ教室で声だけを聞いてるのは(生徒が)飽きる、集中しない。「映像配信できないか?」となったのが8年前。これが始まりですね。
実際声だけというのはつまらないじゃないですか。映像だと校長先生の表情や雰囲気が相手に伝わるのが良いですね。コロナの前に導入できたのは本当に良かったです。
~ 日駒様では校内映像配信システムを中心に様々なICT設備を導入されていますが、ICT導入はどのように進めているのでしょうか?
1回構築し、何が足りないかを考え、またお願いするというのがスタイルです。 最初は、1つの場所から全ての教室に繋ぐことが出来たらいいねとの考えで、アリーナ側から各教室への一方的な配信だけを考えていました。それが、表彰式の様子を映したい、チアダンス等の映像を配信したい、100周年記念ホールでの講演を配信したい、こういう風に徐々にこちらの欲求が増えるので、それに合わせて提案してもらっています。
テロップを流す、ライブ配信を行うといった使っていくうちに生まれる課題にも対応していきます。学校へお越し頂いた方に掲示する物が必要ということで大型スクリーンを設置したり、当校の事を外部に向けて力強くアピールしたいよね、ということで校門にデジタルサイネージを導入したりしました。
オーエスの動き
日駒様へのご提案には、予算組みの兼ね合いから、何年か先の分までの提案書を作り、その中から優先順位をつけてご選定いただくというやり方で進めております。
校門から教室までの導線を意識した掲示
~ 各種映像音響システムは日頃どのように利用されているのですか?
保護者説明会を例に挙げると、これまでは紙で行っていた誘導案内をデジタルサイネージに変えました。どのクラスに行けばいいのか「授業だから○○教室、体育だからアリーナ」という情報がデジタルサイネージで伝えられるようになりました。
校門のデジタルサイネージでは「学校説明会は〇階」という案内や、コロナに関する情報を出します。次にエントランスのスクリーンでは学校紹介ビデオや部活動紹介ビデオを流したりして。うまく使い分けています。結果、ペーパーレスにも繋がっています。
~ 導線を意識した情報提示ができるのですね。
校門では案内だけ、エントランスでは紹介動画を流す。窓ガラスにはまた違うものを流してあげて。こういうことが映像配信システムを使って管理できています。説明会の規模が大きく参加者を一堂に集められない時は、映像配信システムで校長先生の挨拶も各部屋に流しています。
デジタルサイネージは外部テストでも利用していますよ。V模擬だとかW模擬とかね。日能研、TOEIC、英検の試験でも使います。校門やエントランスで案内を出すと喜ばれますね。目立つから入りやすい、迷わないで入ってきてくれると。運営側も看板を準備されているのですが、それよりもデジタルサイネージの方が分かりやすいみたいです。感謝されます。
~ デジタルサイネージになることで準備時間は変わりましたか?
ボタン一つで配信設定ができるサイネージ
ボタン一つで配信設定ができるサイネージ
元々大型プリンターがあったので、立て看板の作成時間はそんなにかかっていませんでした。しかし手間は結構なものでした。今は数十分で済みます。特に楽なのがコロナ対応です。校門でコロナの注意喚起をしながら、プレゼンテーションみたいに色々な発信ができます。それが一番いいですよね。立て看板だと2枚作らないといけないですから。
校内のプロジェクターは一括でON-OFF管理ができるので簡単で、それはもうすごい便利です。 準備は事務局のスタッフだけでやっています。総務課長・施設課長・課員3人の計5人で回しています。
日常になじんだICT設備が築いた温もり
~ 映像配信システムはどういった時に使われてますか?
月に少なくとも必ず1回や2回は使います。日々の朝礼、保護者説明会やクリスマスコンサート。クリスマスコンサートは吹奏楽やダンスを行うのですが、会場に入りきらないので教室にも配信します。 他には英語スピーチコンテスト。中学生だったら中学校だけに流してみんなで聞いています。そしてみんなで審査します。審査はタブレットを使って投票します。ソフトを使えば簡単に投票できますから。
~ 学校での評判はいかがですか。
先生方の理解を得ながら導入に踏み切ったのですが、結果良かったですね。こういった設備があるのが当たり前だと思ってもらえるようになりましたし、校長先生もデジタルサイネージが映っていないと、「なんで今日映さないの?」と。今ではすっかり浸透しています。
~ コロナ前後で使い方は変わりましたか?
すごく利用率が上がりました。(コロナ禍で)集会のやり方を変えざるを得なかったですよね。配信できる体制が整っていたので早くに対応ができました。 例えば卒業式。多くの学校では保護者の参加は認められませんでした。当校では控室を複数用意し、そこで映像システムを使って式の様子を見てもらいました。
ネット配信映像を家で見てもらうのが当時の主流でしたよね。それを一緒に来ることはできます、写真も取れますとご案内しました。会場には卒業生しか入れないですが、保護者も卒業生と同じような環境で卒業式を味わえたのではないでしょうか。
写真を安心して撮れるように、看板もたくさん用意しました。密にならないように校庭にも建てましたし、校門のサイネージも使いました。皆さん気に入ったところで写真を撮られていました。入学式も同じように実施しています。
学校見学も当校は常時承っておりました。コロナから3年。こうした取り組みを続けた積み重ねが、面倒見の良い学校であるとか、あったかみのある学校という評価を頂き、これだけの受験生が集まる結果に繋がったと分析しています。
保護者の第一印象を左右するICT設備
~ 導入による効果を教えてください。
受験生の保護者に「この学校はICT技術進んでいる」と思ってもらえたのは大きいです。保護者の方からしたら新鮮味があってすごい学校だと。ICT導入が進んでいる学校だなと。校門やエントランスにはデジタルサイネージがあり、教室に行くとタブレットが繋がっていて、(画面を)プロジェクターで共有できる映像システムがあります。 生徒も耳だけでなく目からも情報が頭の中に入るので、このような設備が各教室にあるのが一番かと思います。上手く(オーエスの提案と)コラボできました。
~ 今後の日駒様のICT教育の展開を教えてください。
タブレットを利用した授業展開の確立です。児童・生徒は対面授業に価値があります。その一方で自宅学習を取入れなければならない時代になりますのでリモート授業にICT教育を大いに利用していきたいと考えています。
校内設備としては、各教室か各フロアにニュースを流せるようにしたいです。最新のニュースに触れることは生徒にとって良い事です。スマホで調べれば出てきますがそうではなく、意識せずとも時事に触れられる環境を学校が整えていくべきだと思います。
オーエスの動き
プランニングは費用対効果を徹底的に検討しました。単に派手なLEDビジョンのご提案をしても、それが何かに繋がらなければ意味がありません。生徒募集に効果的な設備投資であること、使いやすくするだけでなく入学した後の生徒の事も考えてご提案しています。